職場や家庭で冷房の効いた空間に長時間いることで「咳が止まらない」「喘息の症状が出る」と感じている方へ。特に気管支喘息や咳喘息などの既往がある方や、これまで呼吸器に不安を抱えてきた方に向けて、夏特有の呼吸器症状の注意点と対処法を解説します。
冷房と咳・喘息の悪化の関係
冷房の冷気と乾燥が気道を刺激する

冷房の風は気温を下げるだけでなく、室内の湿度を大幅に下げてしまいます。この乾燥した空気が、気道の粘膜を刺激しやすくなることで、咳や喘息の症状が悪化する要因になります。特に夜間に冷気を直接受けることで、寝ている間に咳き込んだり、呼吸が苦しくなって目が覚めるというケースも少なくありません。
冷房環境が引き起こす「咳喘息」の可能性
「咳喘息」は、気道の軽度な炎症が原因で咳が長引く病気です。風邪が治った後も咳だけが続く、冷たい空気を吸うと咳が出るといった症状がある場合、咳喘息の可能性があり、専門医による早めの診断が大切です。夏場の冷房環境は、まさにこの咳喘息を誘発しやすい条件が揃っているのです。
アレルゲンの拡散と冷房の関係
冷房のフィルターや空調機器内部にたまったホコリ・カビ・ダニなどのアレルゲンが、風に乗って室内に拡散されることも問題です。これらの微粒子を吸い込むことで、アレルギー反応や気道の炎症が起こり、咳や喘息症状が引き起こされることもあります。
夏の咳・喘息を防ぐ環境づくりとセルフケア
冷房の設定温度と風向きを見直す

冷房は「温度」だけでなく「風向き」や「湿度」も重要です。設定温度は外気温より5〜7度程度の差に抑え、直接体に風が当たらないように調整しましょう。また、湿度は40〜60%を保つことが望ましく、加湿器の併用や濡れタオルの設置なども効果的です。
就寝時の冷房対策で夜間の咳を予防
寝ている間は体温が下がり、気道も乾燥しやすくなるため、夜間の冷房使用には注意が必要です。設定温度をやや高めにしたり、タイマー機能で就寝後1〜2時間で停止するよう設定することで、咳の誘発を抑えることができます。必要に応じてマスクを着用することも、乾燥防止に効果的です。
呼吸器に不安がある方は早めの受診を
「夏だから」「エアコンのせいだから」と自己判断で我慢せず、咳が長引いたり、喘息のような症状を感じたら、早めに呼吸器専門医へご相談ください。野田内科クリニックでは、一酸化窒素ガス分析装置(呼気NO検査)やスパイロメータを活用し、症状の原因や重症度を丁寧に評価し、患者様に合った治療方針をご提案いたします。
咳や喘息のある方にとっての「夏の健康管理」
水分補給と食事で呼吸器を守る

夏場は体内の水分が失われやすく、気道の粘膜も乾燥しがちです。こまめな水分補給や、炎症を抑える作用があるとされるビタミンC・Eを含む食品(野菜・果物など)を積極的に摂取することが、呼吸器の健康維持に役立ちます。
屋外と屋内の温度差に注意
夏場は屋外と冷房の効いた室内の温度差が大きく、これにより自律神経が乱れたり、気道の反応が過敏になったりします。冷房が効いた場所から外へ出る際には、羽織ものなどで温度差を和らげる工夫が必要です。
生活習慣の見直しと定期的な診察を
咳や喘息は、日々の生活習慣や環境の影響を大きく受けます。野田内科クリニックでは、患者様一人ひとりの生活背景や職場環境なども考慮しながら、診察・指導を行っています。定期的な検査を通じて、症状の進行を未然に防ぐことができます。
まとめ
夏場の冷房は快適さを与える一方で、呼吸器にとってはリスクとなる要素も含んでいます。咳や喘息の既往がある方、長引く咳に不安を感じている方は、「暑さ対策」と同時に「呼吸器対策」も意識して夏を過ごすことが大切です。
野田内科クリニックでは、呼吸器内科・アレルギー科を専門とする医師が、精密な検査と丁寧な診療で症状の早期改善をサポートしています。冷房環境下での咳や息苦しさが気になる方は、お気軽にご相談ください。
咳・喘息・呼吸器の悩みは豊橋の野田内科クリニックへ。まずはお気軽にご予約を。
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